認知的発達段階説の提唱者 J.Piaget
ジャン・ピアジェ( Jean Piaget)は、スイスの心理学者です。
父親は中世文献学の教授、母親はプロテスタントの信仰に厚い人物であったと言われています。
ピアジェは幼少期から生物学に興味を示し、特に軟体動物に関心があったそうです。
1907年、わずか10歳であったピアジェは白スズメの観察を論文にまとめ、「ヌーシャテル博物学雑誌」に発表しました。
ヌーシャテル自然史博物館の館長のポール・ゴデーに才能を認められ、彼の元で非常勤の助手を勤めました。その後もピアジェは雑誌に軟体動物についての論文を発表しました。19歳で、ヌーシャテル大学動物学科を卒業、理学博士号を取得しています。
次第に、ピアジェは「生物学が認識論の諸問題を解決する糸口を持っているのではないか」と考えるようになりました。
生物学と認識論を結びつける接点としての心理学に関心を移し、心理学を学びました。
ジャン・ジャック・ルソー研究所の心理学研究主任を皮切りに、ヌーシャテル大学、ジュネーヴ大学、ローザンヌ大学、パリ大学で教鞭をとりました。
1955年、発生的認識論国際センターをジュネーヴに設立し、共同研究を精力的に行いました。
ピアジェは、自身の3人の子どもを被験者にした観察・実験に基づいて、子どもの知能や思考の発達を研究しました。
そして、4段階からなる「認知的発達段階説」を提唱しました。
- 作者: ジャンピアジェ,シルビアパラット=ダヤン,アナスタシアトリフォン,Jean Piaget,芳賀純,原田耕平,江森英世,能田伸彦,岡野雅雄
- 出版社/メーカー: 三和書籍
- 発売日: 2005/12/01
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1972年、エラスムス賞を受賞した。
思考発達段階説[編集]
段階
年齢
特徴
1
感覚運動段階 0~2 感覚と運動が表象を介さずに直接結び付いている時期
2
前操作段階 2~7 他者の視点に立って理解することができず、自己中心性の特徴を持つ。
3
具体的操作段階 7~12 数や量の保存概念が成立し、可逆的操作も行える。
4
形式的操作段階 12歳以降形式的、抽象的操作が可能になり仮説演繹的思考ができるようになる。
この発達段階は突然変異するのではなく、徐々に変わるものである。 また「赤ちゃん返り」といった、逆戻りなんかもある。 加えて個人差も大きく、同じ子供でも分野別に早い・遅いがある。 ※そういった意味で、あくまで参考程度に留めた方が良い。
また7歳は小学校入学、12歳は中学校進学の影響がある。 つまり小中学校という環境であったり、親・世間からの期待(重圧)も大きくなる。 だからこそ、この年齢での変化が大きいだけと言われている。